夏休みが近づくと、多くの家庭で頭を悩ませるのが「小学生の自由研究」です。テーマがなかなか決まらない、子どもが途中で飽きてしまう、結局保護者が手伝うことになる——そんな経験を持つ方も少なくありません。本記事では、子どもが自分から夢中になれるテーマとして「ゲームづくり」に注目し、自由研究として取り組むメリットや進め方、まとめ方までをわかりやすく紹介します。プログラミングにくわしくなくても大丈夫です。お子さまの「好き」を学びに変えるヒントを見つけてください。小学生の自由研究、テーマ選びでつまずく本当の理由夏休みの自由研究で最初の関門になるのが「テーマ選び」です。観察や工作、実験など選択肢は豊富にあるはずなのに、いざ決めようとすると手が止まってしまう。その背景には、いくつかの共通した理由があります。ひとつは、テーマが「やらされるもの」になりがちな点です。保護者が良かれと思って提案したテーマほど、子ども自身の興味とずれてしまい、途中で熱が冷めてしまうことがあります。もうひとつは、完成形のイメージが持てないことです。何をどうまとめれば「研究」になるのかが分からないと、子どもも保護者も不安になります。ここで大切になるのが、子どもが「自分から続けたくなる」入り口を選ぶことです。好きなことであれば、多少むずかしくても自分で調べ、工夫しようとします。その「好き」の代表格が、多くの子どもにとってのゲームなのです。「ゲームづくり」が自由研究にぴったりな3つの理由「ゲームばかりで大丈夫だろうか」という心配は、多くの保護者が抱くものです。しかし、視点を「遊ぶ側」からつくる側へ変えるだけで、ゲームは立派な学びのテーマになります。ここでは、ゲームづくりが自由研究に向いている理由を3つ紹介します。プログラミング的思考が自然に身につく文部科学省は、2020年度から小学校でのプログラミング教育を必修としています。ねらいは、プログラミング言語を覚えることではなく、プログラミング的思考(物事を順序立てて考え、組み立てていく力)を育てることにあります。ゲームづくりは、この力をまさに実践する活動です。「キャラクターをジャンプさせるには、どんな順番で命令を出せばよいか」を考える過程そのものが、論理的に物事を組み立てる練習になります。「好き」を入り口にできる自由研究が続くかどうかは、子どもの「やってみたい」という気持ちにかかっています。ふだんから親しんでいるゲームは、子どもにとって距離が近く、自然と前のめりになれるテーマです。好きだからこそ「もっとこうしたい」という工夫が生まれ、それが研究の深まりにつながります。試行錯誤の過程がそのまま記録になるゲームづくりでは、「思った通りに動かない→原因を考える→直す」という試行錯誤を何度もくり返します。この一つひとつが、自由研究の記録としてそのまま使える貴重な材料です。うまくいかなかった部分こそ、研究の価値が光るポイントになります。【プログラミング的思考に関する記事はこちら】親のサポートはどこまで? 自由研究での関わり方「結局、親が手伝うことになるのでは」という不安も、自由研究につきものです。ゲームづくりに、保護者がプログラミングの知識を持っている必要はありません。大切なのは、答えを教えることではなく、子どもが自分で考える時間を支えることです。関わり方の目安として、次のチェックリストが参考になります。つまずいたときは、すぐ答えを言わず「どうしたらいいと思う?」と問いかけるできた部分を具体的にほめ、続けたい気持ちを後押しする安全面(利用時間や使うアプリ)のルールだけは一緒に決めておく完成度よりも「考えた過程」に注目して声をかける保護者の役割は、伴走者でいることです。技術的なことは分からなくても、子どもの話に耳をかたむけ、興味を示すだけで、子どもの意欲は大きく変わります。学年別・ゲームづくり自由研究のはじめ方ひとくちにゲームづくりといっても、学年によって無理のない進め方は異なります。お子さまの発達段階に合わせて選ぶことが、最後までやり切るコツです。低学年(1〜3年生)低学年のうちは、文字入力や複雑な操作を必要としない、ビジュアルプログラミング(ブロックや絵を組み合わせて命令をつくる方法)から始めるのがおすすめです。画面上のブロックをならべるだけで、キャラクターを動かせます。「迷路を進むゲーム」など、ゴールが分かりやすいものから取り組むと、達成感を得やすくなります。最初の一歩には、文字がまだ得意でないお子さまでも直感的に扱える、次のような無料・定番ツールが向いています。いずれもタブレットやパソコンで利用できます。ScratchJr(スクラッチジュニア):文字を読まずに、絵のブロックでキャラクターを動かせるタブレット向けアプリViscuit(ビスケット):自分でかいた絵を動かせる、就学前〜低学年に人気の国産ツールSpringin'(スプリンギン):絵をかいて音をつけ、かんたんなゲームに仕上げられる国産アプリ高学年(4〜6年生)高学年になると、より複雑なルールづくりに挑戦できます。「得点の仕組みを考える」「敵の動きを工夫する」といったテーマは、論理的に考える力をさらに伸ばします。なぜその仕組みにしたのかを言葉で説明できるようになると、研究としての完成度がぐんと高まります。この年齢でまず試したいのが、世界中の小学校でも使われている無料ツール Scratch(スクラッチ)です。ブロックを組み合わせる方式なので入力ミスに悩まされにくく、それでいて得点や条件分岐(「もし〜なら」と場合分けする仕組み)まで本格的に表現できます。慣れてきたら、自分のゲームをインターネット上で公開し、感想をもらうところまで挑戦すると、研究としての広がりが生まれます。進め方の手順は、おおむね次の通りです。どんなゲームをつくりたいか、紙にアイデアを書き出す必要な動き(キャラクター・ルール・ゴール)を整理する実際につくってみて、動かしながら直していく工夫した点・むずかしかった点を記録する自由研究のまとめ方・発表のコツつくって終わりにせず、「まとめ」まで仕上げることで、自由研究は完成します。まとめ方が分からないという声は多いですが、ポイントを押さえれば難しくありません。意識したいのは、結果だけでなく「過程」を見せることです。具体的には、次の流れで整理すると伝わりやすくなります。つくろうと思ったきっかけ(なぜこのゲームにしたか)つくり方・工夫したところうまくいかなかったことと、その解決方法やってみて分かったこと・感想完成したゲームは、タブレットやパソコンの画面を写真に撮って貼ると、見ている人に伝わりやすくなります。失敗の記録を堂々と書けることは、ゲームづくりの自由研究ならではの強みです。まとめ小学生の自由研究は、子どもの「好き」を出発点にすることで、最後まで楽しく取り組めるものになります。ゲームづくりは、プログラミング的思考を育てながら「好き」を学びに変えられるテーマである保護者は技術を教える必要はなく、考える過程を支える伴走者でいればよいまとめでは結果だけでなく、工夫や失敗の過程を見せることが研究の価値になるとはいえ、「家庭だけで進められるか不安」「子どもに合った教え方が分からない」と感じる保護者も多いはずです。ゲームクリエイター探究講座では、子ども一人ひとりの「つくりたい」を引き出しながら、自由研究にも生かせるゲームづくりを専門スタッフがサポートしています。まずは、お子さまがどんなふうに夢中になれるのかを、夏休み無料ゲームづくりワークショップを開催いたします。【夏休み無料ゲームづくりワークショップについてはこちら】